ドイツの大学に正規で入学するためには必ずクリアしなければいけない、ドイツ語テストでのC1の取得。
様々なドイツ語テストがある中で、代表的なものは「DSH」と「TestDaF」で、多くの外国人学生がこのテストをクリアして大学入学を果たしています。
僕自身もTestDaFとDSHのどちらも受け、1年半でDSHを突破しました。
そんな短期間でもC1のレベルが取れる勉強法の中でも、やはりテスト対策はとても大切です。
今回は DSHの問題傾向・対策方法・過去問の取得方法・申し込み方法を紹介します。
目次
DSHとは
DSHとは「ドイツの大学に入学し、ドイツ語で授業を受け勉強するために必要な語学能力を証明するためのドイツ語テスト」です。筆記試験と口頭試験の2つに分かれています。
「DSH1(B2レベル)」「DSH2(C1レベル)」「DSH3(C1〜C2レベル)」の3つの成績からなり、DSH2を取ることができれば、大抵の学部ではokです。医学部や文学部などではDSH3が必要となるようです。
TestDaFとは違い、それぞれの大学が行なっている独自の語学テストで、大学によって傾向・難易度にも多少の差があります。またTestDafでは全ての項目で最低基準を取らなければ行けなかったですが、DSHでは総合点での成績となります。(苦手科目をカバーできる!)
以前は受験回数制限があり、生涯の中で2回しか受験ができないという規定があったようです。ただ現在は、大学によって異なります。
僕が受験したライプチィヒ大学では、おそらく3回まで受けられるようです。(申し込み時に、過去の受験の有無を聞かれ、2回分の空白があったため)
各大学にそこの部分はしっかりと確認した方が良さそうです。
テスト内容は4つに分かれています。
・Leseverstehen(リーディング)
・Hörverstehen(リスニング)
・Schriftlicher Ausdruck(ライティング)
・Mündlicher Ausdruck(スピーキング)
それぞれの概要を解説していきます。
それぞれの回答時間は、各大学によって違うので過去問を通して、しっかりとあらかじめ確認していくことが大切です。
Leseverstehen – リーディング
リーディングでは、大きく「文章読解問題」と「文法問題」の2つに分かれていまり、リーディングの制限時間の中で両方とも解きます。
問題形式は、選択式ではなく基本的には記述問題です。ここでも当然ですが、回答の文法も採点基準になります。またそれぞれの問題によって、箇条書き可なのか、文章で答えなければいけないのか異なるので、しっかりと問題文を読むということを怠らないでください。
文章の内容としては、学術的な内容です。心理学、歴史(人物・化学などの)、環境問題、現代社会の問題など、幅広いジャンルからの問題が多いです。
Hörverstehen – リスニング
リスニングテストで特徴的なのは、問題テキストは1つだけだということです。
他のドイツ語テストでは、大抵は大問3つで構成されていることが多いですが、DSHでは1つのテキストでリスニング力を測ります。
大抵の場合は、文章を読む前に問題文を読む時間が与えられ、あらかじめ聞かれることを読むことができます。(Leipzig大学のDSHではこの時に、分からない単語などを辞書を使って調べることができました)
また文章はCDではなく、担当者がマイクでテキストをその場で読むスタイルです。これは色々と調べていてもどこの大学も、生で読まれる形式が主流のようです。
テキストを読む担当者によっても変わるかと思いますが、基本的には他のリスニングテストよりもかなりゆっくり読んでくれる印象です。
ただやはり内容は難しいという点・単語も難しいので簡単ではないです。聞き取れ、単語を知っていれば回答できるというのは感じました。
Schriftlicher Ausdruck – ライティング
ライティングの難易度は他のドイツ語テストのC1のレベルとほぼ変わらないという印象でした。
対策の仕方としては、「TestDaF」のライティングの練習をするのはとても良いと思います。
TestDaFの構成と同様にしっかりと導入文(Einleitung)・中心となる議論(Hauptteil)・結論(Schluss)をしっかりと書く必要があります。まずはこの基本的な形をどんな内容でも、自然とかけるような練習をしっかりとしましょう。
僕自身が練習していた方法としては、それぞれの頻出テーマ「食系」・「エネルギー系」・「グローバル系」・「教育系」などについてドイツ語でしっかりと言えるようにしました。また何度も使うような単語は最低3つは類義語を使えるようにしました。
Mündlicher Ausdruck – スピーキング
DSHでのスピーキングはTestDaFとは違い、面接式での試験になります。ほとんどの大学が、スピーキングのテストだけ別日に設定しています。
Mündlicher Ausdruckの試験は、筆記試験通過者のみ受験資格があり、最低でもDSH1を取っていなければいけません。
スピーキングの方式は大学によって異なるかと思いますので、各大学に問い合わせて欲しいですが、Leipzig大学の例を紹介します。
① 問題の紙の山から3枚選ばされる
② 選んだ3枚の問題のテーマを1つ選び、20分の時間が与えられ要約の回答を作る(辞書の使用可)
③ 教室を移動し、回答する
④ テスト終了後、5分待ち結果を渡される
これが大まかな流れです。
問題は「食」のテーマを選び、グラフとともに傾向・原因などをまとめたものを発表しました。その後、3人の審査員の方から「日本での現状」・「ドイツに来て食はどう変わったか、どう思うか」・「食についての問題」など主に日本とドイツの違い、今後、自分の食生活についての質問でした。
練習方法は、自分で時間を測ってブツブツと回答を発声する練習がいいと思います。
たくさんの新しい問題に手を出すよりも、スラスラと言えるまで同じ問題を何度も繰り返していう練習をするのが効果的です!
持ち物について
持ち物について個人的に混乱して、色々な情報に惑わされたので説明します。
・パスポート
・回答には黒or青のボールペン(シャーペン・鉛筆不可)
・独独辞書のみ持ち込み可(電子辞書不可)
・休憩時間の復習教材
・飲食類
ここの辞書の部分ですが、大学側に直接お問い合わせして持ち込み可なのか聞きました。
大学側の回答では、全ての辞書の持ち込みはNGだと言われたのですが、いざ当日になると他の受験者は持ち込んでいて、全然使っていました。
ただしドイツ語だけの辞書で、独日辞書などはNGです!
なのでとりあえずは持っていきましょう!ダメだったらカバンに閉まっておけばいいのです。
申し込み方法
DSHの申し込み方法は、大学によって違う部分がとても多いので大学に直接お問い合わせするのが無難です。
大学によっては、大学系列の語学学校・授業がありそこで申し込みができる場合や、DSHだけをネットで予約して受験できることもあるようです。
ただ統一してできる申し込み方法としては、入学許可後にまだ語学能力証明ができていない人には、大学側からDSHを受けるように招待が来ます。それに返事をするというのが、どこの大学でも行なっている正規ルートです。
1学期で2つの大学で受けることも、理論上は可能です。
DSHの対策方法
「TestDaF」の対策をする
TestDaFの対策をすることは、非常に有効だと思います。
というのも基本的には、対策しなければいけないことも同じですし、TestDaFで出てくるテーマはDSHでも出るからです。
ライティングの問題はとても似ていますし、書かなければいけない構成は同じです。
↓でTestDaFの対策方法・教材を紹介しています!
過去問題・模擬テスト
過去問・模擬テストはDSHにおいては本当に大切です。
その大学個々のテストの傾向を知ることができますし、模擬テストのスピーキングのテーマがライティングで出るということも多いです。(僕のテストはそうでした)
つまりいかにその大学の過去問・模擬テストを分析し、徹底して勉強するかが合否の分かれ道だと思います。その大学のものだけじゃなく、色々な大学の問題を解いていくのが一番の対策・合格への近道です。
過去問はここのサイトで様々な大学の問題があるので、フル活用しましょう!
ここのサイトにないものは、大学のDSHのページに掲載されていることが多いですので、確認してみましょう。