こんにちは、心理学者の卵ぱんなです。
「努力なんてしたって無駄、自分にはできないよ」
そんな風に弱気になってしまうことってありますよね?
長い人生を生きていれば、誰でもそう思ってしまうことはあると思います。
しかし、もしこの考えがずっと続いてしまっていたらそれは心の病かもしれません。
今回は意外と知られていない現代人に多くなっている、
「学習性無気力感」について紹介します。
自分はメンタルヘルスは大丈夫かチェックして見てください!
目次
◯ 学習性無気力感ってなあに?
学習性無気力感 (Learned helplessness):
長い期間ストレスが強い環境にいると、そこから抜け出そうとしても何回も失敗したり、
同じような失敗を繰り返ししていると、「その環境から抜け出そう」と努力すらしなくな
ってしまう状態
つまり、
「何をやっても無駄だから何もしない方がマシ」・「するだけ無駄」
という学習をしてしまうんですね。
*ちなみに生まれつきじゃなくて、経験的に学んだ無気力感なので→学習です!
英語では「Learned Helplessness」と言いますが、
「学習性絶望感」・「学習された無気力」というような意味になります。
確かに何回も頑張ってチャレンジしてもできないと、
「もう自分には無理だから」と諦めてしまうことありますよね。
◯ セリグマンの犬の実験
「学習性無気力感」は、
アメリカ人心理学者のセリグマンの行った犬の実験がきっかけで見つかりました。
この実験では、犬に電気ショックを与えるのですが、下の2つのグループに分けられました。
① ボタンを押すと電気ショックが止められる場所
② 何をしても電気ショックを止められる場所
この実験どんな結果になったと思いますか?
・①の犬はボタンを押すと電気ショックが止まることを学び、電気ショックがくると
ボタンを押すようになった
・②の犬は何をしても電気ショックを止められないため、電気ショックを止める努力も
しなくなり、ただ受けるようになった
という結果になりました。
しかも恐ろしい事に、
この②の無気力になった犬は、①の犬のようにボタンを押すと電気ショックが止まるような場
所においても、何もしなかったといいます。
何度も「絶望的な状況」にいた結果、
回避できることも、しようとしない無気力になってしまうということです。
◯ どんな症状が出るの?
長期間過度なストレスや人格否定を続けられると、下のような症状が出てくるようです。
・そのストレスがある状況から、自分から積極的に抜け出そうとしなくなる
・ちょっと頑張れば成功できるにも関わらず、「どうせできない」・「無駄なこと」と
思い込みチャレンジしようとしない
・ストレスのある状況に対して「何もできない」というストレスや苦痛などから無気力
になってしまう
という症状が出てきます。
もっと日常的な状況に言い換えると、
「新しいことをする」→「失敗し続ける」→「無気力」→「新しい事にトライしなくなる」
という負のサイクルができてしまうわけです。
一度「達成できない」と学習してしまうと、
達成できる状況でも「やっても無駄だ」というように認識してしまうんですね。。
生きるための”知恵”には、こんな落とし穴があったんですね。。
◯ 「学習性無気力感」の例は?
いじめ・虐待など
いじめや虐待を受けている子どもたちは、
この学習性無気力感の影響を受けてしまっています。
いじめを受けている子は、最初はその状況を何とかしようと努力します。
しかし徐々にその努力が効果なしだと分かると、
されるがままになってしまうことが多いようです。
この学習性無気力感によって、問題発覚が遅れてしまうことも多いです。
老人ホーム
老人ホームでの患者さんは「自分で何かをコントロールできない」
という状況にずっといると、この無気力を学んでしまいます。
「自分で何もできないなら、もういいや」となってしまうんですね。
それを避けるためにも、
IPadsなどを提供して「自分でできる」という体験をさせる
という対策をされている老人ホームもあります。
勉強や仕事
勉強や仕事でも、成績を改善しようと頑張っても報われないと
「何をやっても無駄だ」と思い込んでしまい、無気力になってしまいがちです。
そこから同じような状況「新しいことを学ぶ」という事に対しても、
無気力になり諦めてしまう傾向がありそうです。
「就職氷河期」の際には、
就活生が「どうせ頑張っても内定はでない」と無気力になってしまった、
というケースも過去にはありました。
◯ どうやって無気力感から抜け出せるの?
学習性無気力の厄介な点は、
他人の失敗をずっと見ている事によって「頑張ってもダメなんだ」と無気力感を学んでしまう
ことです。
じゃぁその「どうせやっても無駄だ」という負のサイクルは、どう打破できるのでしょうか?
考え方を転換する
チャレンジの失敗をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブな考えに転換していく
トレーニングをしましょう。
例えば、
「テストで目標の点数が取れなかった」という経験を失敗ではなく
次のテストでの改善点を発見するきっかけ」とポジティブな方向に持っていくと、
成功体験となります。物は捉えようです!
これはフレーミング効果という心理学のテクニックでもあるので、気になる方は↓でチェック
してみてください。
成功している人の周りにいる
他人の失敗によって無気力感を学んでしまうのであれば、
成功している人からモチベーションをもらうことも可能です。
自分と同じような境遇でも、努力によって大きなことを達成してる人を見ると
「自分もやってやるぞ!」という気持ちになりますよね!
実際僕も、ブログで成功している方を見て
「自分も頑張るぞ!」と頑張るモチベーションを頂いてます!
小さな成功を大切にする
小さなことでも成功をしたら、自分を褒めてあげることは大切です。
小さなことをコツコツと頑張った先に、大きな達成があります。
自分のできることから努力することで、
成功体験にもつながり「自分ならできる!」という感情につながります。
「こんな小さなこと」と思わずに、できた事に対しては自分にご褒美をあげましょう。
心理学的なモチベーション管理の方法は、↓でも紹介しています。
「周りのせいに」にしてみる
日本人の私たちは、「周りとの調和」を大切にしている民族です。
なので周りの環境のせいにする事に対して、罪悪感を感じてしまう人が多いと思います。
ここで西欧的な考え方で、
「自分のせいではなく、周りの環境せいだ!」というように割り切って見ることも大切です。
もちろん全て周りのせいではないと思いますが、
失敗を自分のせいだけにすることも、よくないとを忘れないでください!
ちなみに↓の記事で、日本人と西欧の価値観の傾向もまとめています。
誰かに相談して見る
落ち込んだ時は、誰かに話して相談することも大切です。
「こんなことで悩んでるの知られるの恥ずかしい」と思ってしまうのも分かります。
でも意外と同じことで悩んでる人、たくさんいます。
自分の悩みや失敗って実はみんな経験してることが多いです。
少し勇気を出して話してみましょう!
◯ まとめ
全ての人に「学習性無気力」陥る可能性があります。
「自分なんて。。。」とネガティブになってしまうことは、あると思います。人生っていつも成功してるわけではないですから。
でもどんな小さなことでも、成功体験は転がってます。
「やっぱり自分ならできるんだ!」という気持ちを大切にしながら、地道な努力がきっと幸せ
に繋がります。
悲観しすぎずに、自分を信じてあげることが大切です!
いかがでしたか。
実は自分も「学習性無気力だった!」という人いるんじゃないですか?
もしそうだったとしても、今気づけたなら行動あるのみです!
自分の負のサイクルを打破しましょう!
ではではっ