こんにちは、ぱんなです。
前回はどんなときに人の行動が増える・減るのか、を心理学の観点から紹介しました!
今回は「あなたが人のコントロールした行動を習慣付けるテクニック」でもある【スケジュール強化】という理論に焦点を当てて紹介します!
身の回りにはスキナーの「オペラント条件(Operant Conditioning)」のテクニックがたくさん使われている・無意識の内に自分自身も使ってた!と気がつくと思います!
◯ どんな強化の種類があるの?
まず大きな枠組みで
・固定強化(Continuous Reinforcement)
・変動強化(Partial Reinforcement)」
の2種類があります。
言葉だけ聞くと「どーゆこと?難しいよ!!」ってなると思いますが、実はすごくシンプルです!
① 固定強化(Continuous Reinforcement)
何か行動 (反応) があるたびに、行動を強化するパターンです。
つまり、
「行動をするたびに、必ず何かの行動を強化するものが与えられる」ということになります。
例)
自動販売機でお金を入れる → 必ず選んだ飲み物が出てくる
この中では
「お金を入れて、飲み物を選ぶ」= 「行動」
「飲み物」= 「行動を強化するもの」
になります。
つまりお金を入れたら、自分の欲しいものが手に入るわけです。
その欲しいものを手に入れるための行動が、強化されることになります。
② 変動強化(Partial Reinforcement)
行動 (反応) がある時毎回ではなく、たまに強化するパターンです。
変動強化に関しては4つのカテゴリーに分かれるので、この後紹介します!
例)
パチンコでお金を入れる。→ 勝つ日・負ける日がある
パチンコをすれば必ず勝てるわけではないが、勝てる可能性も高い!
このようにたまに勝つことによって、
「次の時には勝てるかもしれない!」
という気持ちにさせることで、行動が強化されるイメージです。
③ 固定強化と変動強化のどっちが効果的なの?
変動強化の方が固定強化よりも「行動が消えにくい」という実験結果が出ています。
つまり変動強化の方が人の行動を習慣化させることができるということです!
どういうことなのか例を出して説明していきたいと思います!
固定強化の例)
こんなことが何回も起きたら、人はその自動販売機で飲み物を買おうとすることをやめますね!
変動強化の例)
パチンコで何回も負け続けても、もしかしたら次は勝てるかもしれないという期待をしてしまいませんか?負ける可能性も高いはずなのに、損をしてでもその行動は減らないことが多いですよね。
たまに勝つことを知っていて、その快感が忘れられずに人の行動は習慣化して行きやすい傾向にあります。
ではその人の行動を強化しやすい変動強化には4つのカテゴリーがあります。
そのカテゴリーを詳しく見て行きましょう!
◯ 変動強化の4つのカテゴリーってなあに?
① 定率強化スケジュール (Fixed-ratio schedule)
決まった回数の反応の後、行動を強化するパターンです。
たとえば5回行動するたびに何かを得て、強化されるといった具合です。
例) スタンプカード
スタンプカードなどに人はとても弱いです。
本来ならば、特定のカフェや飲食店じゃなくても目的のものが買えるはずなのに、「◯回いけばお得な何かがもらえる」という条件が出てくることによって、また同じ場所に習慣的に行くようになってしまいます。
スタンプカードを一度もらうと、ポイントが貯まるまで通ってしまう人も多いはずです。
そんな「ここまでスタンプもらったなら、何かを得られるまで集めないともったいない!」と思わせて行動を引き出すのが「定率強化スケジュール」です。
② 変率強化スケジュール(Variable-ratio schedule)
決まった反応の回数ではなく、不規則な回数で行動を強化するパターンです。
「何かを得られるためには、5回行動したら何かを得るかもしれないし、7回行動して初めて何かを得るかもしれない」という状況です。
要は、次に当たるかもしれない!と言う期待を引き出して、人の行動を促しているテクニックです。
例) スロットゲーム
スロットでは勝つために何回プレイしたらいいか予測できないゲームです。
しかし買った場合にもらえるお金への快感はとても大きいものだと思います。
5回かもしれない、10回プレイしたら当たるかもしれない。
当たるまで、いくらお金を使えばいいのか分からない状況です。
逆に、
「次は当たるかもしれない」という状況が常にある状態なので、
・あと1回やれば当たるかもしれない
・ここまでお金を使ったから勝つまで帰れない
と中毒になりやすいパターンと言っても過言ではなさそうです。
特に一度スロットで大金を手にした人は、「次こそは」という状況に陥りやすい状況とも言えます。
このように、ランダムな回数で何かを得られることにより、人を行動に繋げる状況を「変率強化スケジュール」と言います。
③ 定期強化スケジュール (fixed-interval reinforcement)
決まった時間の間隔で、行動を強化するパターンです。
毎週何曜日、1ヶ月に1回に何かを得られることによって、行動が強化される状況です。
例) お給料制
1ヶ月に1回の給料が楽しみで働いている人も多いですよね。
「給料のために頑張って働こう」というモチベーションを強化し、仕事をきちんとするという行動を強化しています。
例) 定期的なセール
毎週何曜日は「〇〇セール」といったようなスーパーのCMよく見流と思います。
これを見て、「◯曜日は〜のスーパーがお得だから行かなきゃ!」と思った人は、このテクニックで行動を強化されています。
このように、決まった時間の間隔の条件があることによって、人を行動に結びつけることができるのが「定期強化スケジュール」です。
④ 不定期強化スケジュール (Variable-interval reinforcement)
決まった時間の間隔ではなく、不定期に行動を強化するパターンです。
つまり、いつ何かを与えられるかは分からないという状況のことです。
例) メール
30分に一回必ずメールを確認する、と決めてる人はいないと思います。
誰かとメールでやりとりそしている場合、ランダムな間隔でメールの返信を確認していると思います。
例) タイムサービス
スーパーでお買い物中に、告知されずにいきなり始まるのがタイムサービス。
「お得に買える!」と思って駆け込んでしまい、必要じゃないものまでついつい買ってしまった!主婦の方も多いのではないでしょうか。
このように、ランダムな時間の間隔も人を行動に繋げるのが「不定期強化スケジュール」です。
◯ まとめ
(1) 固定強化:行動をするたびに、行動を強化するものが与えられる
(2)変動強化:不定期に行動を強化するものが与えられる
・定率強化スケジュール:特定の回数後、行動強化
・変率強化スケジュール:不特定回数後、行動強化
・定期強化スケジュール:特定の間隔で行動強化
・不定期強化スケジュール: 不特定の間隔で行動強化
*行動の強化の継続時間:固定強化<変動強化
これらのテクニックはそれぞれの例でも紹介したように、身の回りでもたくさん使われています。
またこれらのテクニックは、「リピート率を上げて売り上げに繋げる」・「子育て」など様々なことにも応用が可能です!
意識的に知っていて使っているのと、何も知らずに無意識に使っているのではその効果もかなり違ってくるのではないでしょうか。
いかがだったでしょうか。
かなり噛み砕いて説明するように意識したのですが、全て理解できましたか?
僕自身も最初はごちゃごちゃになって、中々理解できない部分でした。
少しでも理解が深まってくれたらと思います。
ではではっ